創設メンバーからのメッセージ

甲蹄会名誉会長 吉原功

甲蹄会名誉会長 吉原功

甲蹄会名誉会長 吉原功

昭和27年(1952年)、大学に進んだら何か新しいスポーツクラブを作り、学生生活をエンジョイしたいと単純に考えて始めた、馬術部創部。
あれから、早60年を経過した。

我々の時代の最初の4年間は、馬術部の型作りに終始した。
とにかく馬匹2頭の小さな厩舎と峰甲号、六甲(むこ)号の自馬を持つのみであったと思う。

創るより維持する方が、ずっと困難なことだ。
部員は1回生から4回生でわずかに2名のみ、という時代が何度かあった。

毎日毎日が宿直の繰り返し、馬の餌やり、馬の運動、寝藁干し・・・。
部を任された使命感のみが唯一の励みで、「何でこんな苦労をする羽目になったのか」と思ったことであろう。

何回も厩舎移転を繰り返すという苦難を乗り越え、ようやく広野厩舎に落ち着いたとはいえ、遠隔地であるハンディは大きい。

60年間馬術部が続いた裏には、関係者の苦労があったことを忘れてはならない。

馬術とは、人馬一体となって、極めて高度な演技や跳躍を競うスポーツである。
その奥行きの深さや緊張感は、他に類を見ない難しさがある。

学生時代は、この最初の触りを味わうのみで終わることもあろうか。
しかし馬術は、学生時代を終えても、終生かけてこの難敵に挑む余韻をもつスポーツでもある。

また、人馬一体となってバランスを取り合う「知的な要素」も高く、甲南の創始者平生釟三郎先生が唱えられた「知育、徳育、体育のバランスこそ人格形成の基本」という甲南の教育理念にも通じている。

まさに甲南らしい運動部に在籍した喜びを、皆で共有したい。

諸君、同じ釜の飯を食った者同士、終生仲良く、手を携えて歩んでいこう。